不動産業界
あとは適当にまとめてくださいよ。神田雅人さん(仮名・五十二歳)は不動産業界にかかわって四半世紀以上におよぶベテランである。神田さんに「職業は何なんでしょうか」と聞くと、一瞬の沈黙の後、「ブローカーでしょうねえ」との答え。海千山千の強者たちがうごめく世界で、原野商法からB勘屋まで、なんでも手がけて生き抜いてきた神田さんへの七時間インタビュー。いまですか?ヒマですよ。仲間と電話してたって「何かいい話ない?」ってなもんで、息をひそめて耐えている感じですね。物件の情報だってまわってくることはめったにないですから、「ファックスなんか挨をかぶってるだけで無用の長物だから、はずしちゃおうか」なんていう話も出るくらいです。バブルのころは儲かったでしようって?私みたいに仲介をやってた者は、たいしたことないですよ。あれで儲けたのは、買った人。買って税金払わないで逃げた人だけでしよ。仲介は手数料収入でしよ。だから、仮に十億の物件を扱っても、売りと買いの両方のお客さんから三%ずつもらって六千万円。それがまるまる入ればおいしいんですが、なんだかんだ削られて実際の手数料は三千万くらいなんです。